Expertクラス競技規定

 

一般                                                        

・フライトはすべて選手個人の責任において行うこと。

・フライトは使用機材の運用限界内で行うこと。

・参加選手は、安全なヘルメット、180日以内にリパックしたレスキューパラシュート、ハーネスからのパ

イロット脱落防止装置を装備しなければならない。

・使用機体は期間中変更できない。但し破損した場合には競技委員長の許可を得て変更できる。

・選手は心身ともに競技できる健全な状態でなければ競技してはならない。

・フライトに支障をきたす薬物やアルコールを摂取してのフライトをしてはならない。

・電線、建造物、人ごみ等の上空は50m以上の高度を保って飛行すること。

・水以外のいかなる物品も投下してはならない。

・航空法を厳守すること。

・雲中飛行は禁止する。

・雲中飛行とは、グライダーの一部又はパイロットが雲により、第三者からの視界から消えたときのこと

を言う。

・多くの選手が雲中飛行をした場合、競技委員長は競技を中止する場合がある。

・サーマルに既に旋回中のフライヤーと同方向に旋回するように入ること。ただし、エリアによっては日

にちによって旋回方向が決まっているのでエリアルールに従うこと。

・参加選手はフライトをしたか、しないかにかかわらず毎日安全確認の報告を決められた時間までに行

うこと。

・大会規則に違反した選手あるいは役員の指示に従わない選手は警告を与える。警告を与えられた者

は何らかのペナルティーを与えられる。二回以上警告を受けた選手は大会失格とする。

・重大な危険行為をした選手及び不正を働いた選手はその時点で大会失格とする。

・他人に迷惑をかける行為を行った選手は、大会失格とする場合がある。

GPSのマップデイタムはWGS84、位置表示フォーマットはhddd.mm.ss.sに設定しておくこと

 

1,受付                                                       

受付は、大会スケジュールの時間に従って、大会本部にて行う。受付時間に遅れたものは、その日の

フライトは棄権したものとみなす。

大会初日の受付でGPSにターンポイントデータをダウンロードする。

 

2,タスクコミッティー                                               

各大会では、選手間での民主的な手法によって選手代表を3人選ぶ。選手は、選手代表に競技内容

(タスク)の決定権を委託する。競技委員長は、選手代表と協議し、承認された競技しか行うことはでき

ない。また選手代表は、大会全般の運営に関しても、提言、クレームを積極的に行うことができる。もち

ろん、大会ブリーフィング、競技ブリーフィングでは、全ての選手及び関係者が民主的な手法によって、

発言することが認められる。

 

3,タスク                                                      

(1)Speed run to Goal

決められたコースを、最短時間で飛行したものを1位とすることを目的とする。スタートは選手が最後

にスタートラインをクロスしたときとなる。

(2)Race to Goal

選手すべてのスタート時刻を同じにし、ゴールを競うことを目的とする。スタート方法は空中からの一

斉スタートを用いる。

 

4,スタート方法                                                  

・スタートは、GPS上で鉛直方向のシリンダーで作られるラインをクロスすることで確認される。地上で

の目視物は利用しない。

 

a)<Speed run to Goal>

選手個々に空中からスタートラインをクロスする この場合指定されたスタートラインを最後にクロスし

た時間が計測される。

a-1)スタートラインは次のポイントの大きなシリンダー(例えば、テイクオフはTPlから10km地点にあ

りスタートの計測はTPlの9kmシリンダーに最後に入った時となる)で、ラインをクロスして入った時点

から計測が始まる。

a-2)スタートラインはディパーチャーポイントを中心とする半径100〜400mシリンダーで、時間の計

測はセクターを最後に出た時から始まる。

b)<Race to Goal>

決められたスタートオープニングタイムに時間計測が始まり、パイロットはそれ以降にスタートラインを

クロスしていかなければならない。スタートラインは大きなシリンダーを採用する。

 

5.ターンポイント、セクター、GPSを用いたゴールライン                           

1)ターンポイント

ターンポイントは、主催者から提供されるGPS座標とする。ターンポイントリストは大会前に主催者の

コンピューターから各選手にダウンロードされる(1.受け付け)。主催者がターンポイントを大会期間

中に加算あるいは変更する場合は、タスクブリーフィングで告知される。

ターンポイントは基本的には地上にある、目標物を目安として決められる。

2)セクター

ターンポイントのセクターは、主催者が指定したターンポイントのGPS座標を中心としたシリンダーと

する。シリンダーはスタートするときにも使用されるが、その時は境界線をスタートラインと見なす。シ

リンダーの大きさは、タスクを決定するときに決められる。

(基本)

     ターンポイントは半径100〜400mのシリンダー

     スタートポイントは半径100〜400mのシリンダー

     大きなシリンダーのスタート方法の場合はそのときによってサイズは決められる

3)ゴールおよびランディングエリア

ゴールは仮想(GPS上)のセクターで、最後のターンポイントからゴールポイントを結ぶ直線と直角に

交わるゴールポイントを中心にした200〜800mの直線(ゴールライン)を用いる。

もしくは、ゴールポイントを中心とした半径200m〜400mの円(ゴールライン)を用いる。

 

6.リスタート                                                    

・リスタートは何度しても良いが、一度スタートポイントの次のターンポイントのセクターに入った後のリ

スタートは認めない。

 

7,リフライト                                                    

・リフライトは状況に応じて認める場合があり、競技開始前に競技委員長によって発表される。

・リフライトを行なう場合は、リフライトの前にテイクオフ役員にリフライトすることを告げる。

・リフライトの得点は最終フライトのものとする。

・リフライトを行う場合は必ずその前のフライトのトラックログを消さなければいけない。

 

8,デパーチャークローズ                                             

・デパーチャークローズ時刻(最終スタート時刻) この時刻を過ぎてタスクをスタートした選手のスタート

時刻はこの最終スタート時刻にスタートしたものとみなす。

 

9.ゴールの方法                                                 

・ゴールは、GPS上で最終ターンポイントとゴールポイントを結ぶ直線と直角に交わるゴールポイントを

中心にした200〜800mの直線、もしくは半径200m〜400mの円のゴールラインをクロスすることで

確認される。地上での目視物は利用しない。

・安全のため、分かりやすい目標物としてフィニッシュラインを設ける場合がある。ただし、フィニッシュラ

インを引く場合は、限りなくGPS上のゴールラインの近く引かなければならない。

 

10. ゴールの手順                                                

・選手はGPS上のゴールラインをクロスしなければならない。タイム計測はGPSで記録されたデータを

採用する。

 

11,フライトの成立、大会の成立、タスクの成立                                

(1)大会の成立   

タスクが1本成立した時点で大会は成立する。

(2)タスクの成立は、以下の条件が満たされた場合とする。 

・物理的に選手全員がテイクオフするだけの時間(参加人数×60秒)ゲートが開いている。

・そのタスクに参加の意思表示をした選手の20%以上がミニマム距離を超えた場合。  

・タスクの最低距離は10km。ミニマム距離はタスク距離の30%とする。

・1人以上がタスク距離の60%を超えた場合。この場合、トップの獲得点数は、タスク距離に対するトップ

の選手の飛行距離の割合分(小数点以下第一位を四捨五入し、整数で表す。)の得点となる。

12. ペナルティー                                                 

・雲中飛行を行った選手は、そのタスク0スコアーとする

・ランディング報告義務違反は、そのタスク0スコアーとする

・帰着申告義務違反は、そのタスク0スコアーとする

・旋回方向義務違反は、そのタスク0スコアーとする

 

13,競技の中止                                                  

いったん競技が開始されても気象条件の急変等により、その競技を中止する場合がある。その場合フライト

中の選手には公式無線により知らせる。フライト中の選手は速やかに安全にランディングすること。

 

14,競技時間                                                   

選手はゲートオープンタイム内にテイクオフし、定められた時間までに競技終了報告をしなければならない。

 

15,テイクオフ                                                   

テイクオフは、フリーテイクオフ制を用いる。(ゲートオープン時間内に選手の好きな時間にテイクオフする。)

 

16,タスクボードへの記載事項                                         

a) 一般                  :日付、大会名

b)タスク内容          :タスクの種類、タスクディスタンス、ミニマムディスタンス、ゲートオープン時刻、ゲート

クローズ時刻、一斉スタート時刻、デパーチャークローズ、ゴールクローズ時刻、ランデ

ィング報告時刻、帰着申告時刻

c)安全に関する情報:帰着申告用電話番号、大会本部の電話番号、指定地域におけるサーマルの旋回方向

 

17,ランディング                                                  

ランディング場は地図に示したエリアをいう。指定のランディング場に着地した場合をインサイドランディ

ング、それ以外をアウトサイドランディング
という。アウトサイドした場合はエリアルールに従うこと。アウトサイドランディングは、そのフライトを失

格とする。

 

18,ランディングクローズ                                             

ランディングクローズ時間は、ブリーフィングの時に発表される。クローズ時間を過ぎてフライトしていた

選手は、そのフライトを失格とする。

 

19,競技終了報告(ランディング報告)                                     

当日受付した選手はフライト、ノーフライトのいかんに関わらず、大会本部に直接報告しなければなら

ない。指定された時間までに連絡がない場合は、そのフライトを失格とする。やむをえない場合のみ電

話での連絡もみとめる。(無線での連絡も受け付けるが、連絡した場合は必ず大会役員の了解をもらう

こと。一方的に連絡して無線をきった場合はその連絡を無効とする。)

 

20,競技記録報告(タスクレポート)                                       

当日受付した選手はフライト、ノーフライトのいかんに関わらず、大会本部へ直接選手自身がタスクレ

ポートを提出しなければならない。選手はタスクレポートタイムまでにGPSデータ、とタスクレポートを提

出すること。

 

21,距離の測定                                                  

a) GPSのトラックログを用いた距離測定は、0.1km単位で切り上げられる

b)距離の測定は通過確認されたパイロンまでとする。インサイドランディングの場合はベストポジジョン

を採用できる。

 

22,時間の測定                                                  

タイムの測定はGPSの時間データを使用し秒単位とする。測定は以下のいずれかの方法により行う。

<スタート時刻>
a.タスクで設定されたスタート時刻
b.スタートパイロンセクターの範囲から離脱した時刻(OUT)
c.スタートパイロンセクターの範囲に進入した時刻(IN)
d.デパーチャークローズ時刻(最終スタート時刻) この時刻を過ぎてタスクをスタートした選手のスタート時刻は

この最終スタート時刻にスタートしたものとみなす
e.リスタートは何回切ってもかまわないが
、一度スタートポイントの次のターンポイントのセクターに入った

後のリスタートは認めない。

<ゴール時間>
ゴールパイロンセクター内に入る直前にマークしたログポイントの時間とゴールセクター内に最初にマークしたロ

グポイント時間から補完してゴールセクターに入った時間を算出した時間を採用する。

 

タイムセクション
 スタートパイロンからタスクの任意のパイロン(タイムゴールパイロン)までをタイムセクションとし、タスクをコン

プリートした場合のみタイムセクションの時間が採用される。

23,タスクの証明                                                 

・飛行の証明は全てGPSのトラックログで判定する

・参加選手は少なくともひとつのGPSを装備すること(使用できる機種は主催者の指定しているもの)

・参加選手は、GPSを正しいパラメーターにセットすること

・参加選手は、帰着申告の際その日の飛行のトラックログをGPSからダウンロードすること

・原則として、時間はGPS時刻をもとに秒単位で計測する。

 

タスク証明のデータソースは各選手が使用した一つのGPSのトラックログに限られる。二つ以上の

GPSログを繋げてひとつとすることはできない。

ファイルや、外部からGPSにダウンロードしたもの、その他のデータソースはタスク証明のデータソース

としては使用されない。

指定メーカーのデータロガーのデータもタスク証明のデータソースとして使用されるが、デー夕ロガー

のデータソースの有効性を確認するために、そのデータロガーに接続していたGPSのトラックログを求

めることがある。

 

・トラックログは少なくとも2分間、5ポイント以上の連続したものをターンポイントのセクターの前後に残

さなければならない。

・トラックログは少なくとも2分間、5ポイント以上の連続したものをスタートセクターの前後に残さなけれ

ばならない。

・トラックログは時間のデータが残っている有効なものでなければならない

・連続したトラックログは20秒以下の間隔の連続したものが望ましい

 

24,GPSの操作方法の習得義務                                        

・パイロットはバックアップ用に複数のGPSやデータロガーを同時に使用しても良い

・一連のフライトは一つのGPS又はデー夕ロガーに記録されていなければならない

・一連のフライトが複数のGPSやデータロガーにまたがっていてはいけない

・パイロットはGPSとデータロガーを正しいパラメーターにセットしなければならない

・パイロットは前のタスクのデータを成績が確定するまで消去してはならない

GPSが正しく作動しなかった場合はパイロットの責任である

・トラックログが取れなかった場合はパイロットの責任である

・提出したトラックログで正しく判定されなかった場合は、別のトラックログを提出することができる。

 

25,不正確なGPSトラックログのペナルティー                                

・スタートポイントのミスは0スコアーとする

・連続したトラックログが要求されていてトラックログが連続していない場合は0スコアーとする

・ターンポイントのミスはベストポジションを取り、距離得点が与えられる

・ランディング後にGPSのトラックログを記録し続けて移動するなどの行為によりベストポジションの検

出が不可能となった場合、ランディング直前のターンポイントまでの距離がフライト距離となる

 

26,得点計算                                                   

・得点の計算式は次のもので、フライトの最高得点は1000点とする。計算式の符号は下記の通りとす

る。

 

Nf:ゴールをクリアした選手数

Nto:そのフライトに参加の意思表示を示した選手数(途中棄権したものも含む)

Ntoa:そのフライトでテイクオフ選手数D:本人のフライト距離

Dmax:そのフライトにおける有効な(失格者のものを除く)最長距離

Ss:一斉スタート時間

G1:最初にゴールした選手の時刻

G2:本人のゴール時刻

Tmin:最短時間でゴールをクリアした選手のフライト時間

T:本人のフライト時間

Tmax:最長フライトタイム

g :0.6×√( Nf/Nto)

PilotPos:本人のゴール順位

Arrα:α=1-(PilotPos-1)/Nf

Distance Weight:0.9-1.665×γ+1.713×γ^2-0.587×γ^3

Allocationγ:γ=Nf/Ntoa

 

a)ゴールレースの場合

距離得点=1000×(1-g)×(D/ Dmax)

時間得点=1000×g×{(G1-Ss)/(G2-Ss)}^3

到着得点=1000×(1-Distance Weight)/8×(0.2+0.037×α+0.13×α^2+0.633×α^3)

総合得点=距離得点+時間得点+ゴール得点

(但し総合得点はトップが1000点としてノーマライズされる。)

 

b)スピードランの場合

距離得点=1000×(1-g)×(D/ Dmax)

時間得点=1000×g×( Tmin/T)^3

到着得点=1000×(1-Distance Weight)/8×(0.2+0.037×α+0.13×α^2+0.633×α^3)

総合得点=距離得点+時間得点+ゴール得点

(但し総合得点はトップが1000点としてノーマライズされる。)

 



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